モロッコ旅行記1 船で国境を越える
今までそれなりに色々なところを訪れて飛行機以外でもバスや車で国境を越えたこともある。
飛行機と違って自分の足で立って国境を越える方がなんとなく自分で来た感があっていい。
カンボジアとタイの国境なんかは国境と思われるところをまたいで、はしゃいでイェイ!なんてこともやったこともある。
でも今回は船。滞在していたスペインから船でアフリカ大陸に渡った。海を渡って海外に!
なんて中学生のころ憧れていたコロンブスを思い出しちょっと冒険っぽいしワクワク。
甲板に出て、海の香で胸をいっぱいにしながらワインを飲む。...とか想像しただけでうっとりする。
その反面、タイタニックみたく嵐に遭ったらどうなっちゃうんだろ~とか想像をして天気予報チェックしてみたり。
でもそれよりも現実的に私の前に立ちはだかるビックプロブレム。
乗り物酔い・・・
とくにひどい
船酔い・・・
旅行は好きだけど乗り物移動は嫌いなんだよな~(旅行好きとして致命的)
ダイビングのときも、ボートダイビングの方が沖にでて透明度も高いから断然いいというのを知っているけど、
船に揺られるくらいなら...と真剣に悩むときもある(ダイバーとしても致命的)
と、幼い頃から悩まされてきた乗り物酔い。
旅行者失格な自分の為に今回は心強いアイテムを入手!
辞書片手にがんばって購入した酔い止め!
その薬局に置いてある一番弱い酔い止めで日本人が飲んでも効きすぎないものをお願いする。
普段は薬とかあまり飲まないから、おそらく普通の人より倍くらい効果が期待できる私の体質には、
できるだけ弱いものがよかった。薬剤師っぽいおじいちゃんは、何に乗るのかとか、どこに行くのかとか、
乗り物の中で眠れるようなものがいいかとか色々聞いてきた。
更にスペイン語ができない私のために仕様書を広げてアンダーラインを引きながら乗り物に乗る何時間前に、
何錠ずつ、一日何回まで飲んでいいかということをスペイン語の先生のごとく丁寧に3回くらいリピートしながら
教えてくれる。
「学校の先生みた~い!」「やっぱりスペイン人は親切でいいなー」
でも効き過ぎたらアレだから通常2錠だけど、1錠にしておこう。
どんな効果が出るかはあとでのお楽しみ...
フェリー乗り場まで私の住んでいたマラガという街からフェリー乗り場のあるアルヘシラスまでバスで約2時間。
バスを降りると特に表示もなく、フェリー乗り場どこだよ~と思っていたら、違うバスからアラビックな香りのする一行が
降りてきた。彼らについていけばよさそうだなと思い追っかけてみる。
女性にスペイン語と英語で「モロッコに行くの?」って聞いても通じない。先頭を歩くリーダーっぽいおじさんのところまで
行って聞くと、スペイン語が分かる人で「おー!そうだよ。君もか?私たち家族と一緒に行こう」と誘ってくれる。
お互い超片言だけどなんか会話がはずむ。話し好きのいい感じのおじちゃん。
彼らの行き先はモロッコでもスペイン領のセウタまで。そこから自分の住む街までバスで行くという。
一人旅行で予定も立ててないなら危ないし一緒にセウタまで行こう、うちに泊めてあげるよ!と誘われるが、
私はとりあえずタンジェという街に行くと決めていたし、会って5分位で今夜はうちに泊まれとか言われては...
興味はあるけど自分の中の危険信号が点滅する。
旅行前に頭に入れた予備知識にどこの国でも耳にする犯罪、レイプやスリ、だまされて現金全部取られる系が
モロッコでもあるらしいということは知っていた。
いつも初めて訪れる国の危険情報は必要以上に頭に叩き込む。だいたい行くまでや、楽しい事があるとすぐ
忘れちゃうんだけど、何かあったときに頭の片隅にあると自分を守る一番のアンテナになるからだ。
イスラム教の国で女性一人旅行はありえないとか、肌は出さないこと。日本人だけでなく、アジア人ってだけで
狙われるというのを読んでいつも以上にびびっていた私。このときも旅行の始めで少し警戒していたのでせっかくの
ご招待を断ってしまった...。
この後、このモロッコ人の「今夜はうちに泊まりなよ!」と言うセリフを何度も耳にするとはこのときまだ想像も
していなかったからだ...。
それでも行き先は違う私に付き合ってチケットも一緒に買ってくれて、乗る船まで教えてくれる。
最後まで「パスポートとお金には気をつけなさいよ!」と心配してくれるおじさんとの名残惜しい別れ。
この時点でモロッコの印象はよく、テンションもあがってきた。旅行をするときに感じる好きな瞬間。
レッツゴーゴー!!
おじさん達家族と別れ、出航まであまり時間がないのでフェリーに急ぐ。
が、あれっ?
誰もいないんですけど...荷物チェックとか...
一応ここから海外に行くんだよね?ってハテナマークがつくくらい閑散としている。
人がいなくて不安になるけど、自分のように急いでる風の人もいるからまたその人についていってみる。
普段税関とか出入国審査する所って写真撮れないから記念に標識とか撮ってみたり。
カウンターごと撮ろうとしたらいきなりニュ~っと人が現れたからあわててカメラを隠す。
パスポートとチケットのチェックをし、スペイン出国のスタンプが押される。
あ~!船で出るときは船のスタンプなんだ!かわい~
いざ、フェリーへ。
出航も遅れてるみたいだし、まずは船内を散策。
比較的キレイ。
こっちはセレブな人たち様の席。
とりあえず雰囲気だけでも…
エアコンがんがんで一般の席でも十分快適。
一人で三つくらい席を占領。ここで日本から持ってきた非常食、遠足気分でおやつなんかもってきてみた。
スペインで生活してるときは食べたいとは思わなかったのに、なんか無性に食べたくなった。
船は大きいけど、思っていたより揺れた。
で、例の酔い止めの効き目...
眠くもならないし、なんと本まで読めるし食欲も出るくらい。
グラシア!じーちゃん!
本を読んだりしながら快適な客船を満喫してたら、話しかけてくる人が。
席の前のほうを指差してなんか言ってる。ちょっときれいな格好をしたアラビア人のおじさん。
何を言っているのかはもちろんのこと、何語かも分からないので半分無視してたんだけど、彼が指を指す前方をみると
なにやら人々の行列ができている。
それでも状況を飲み込めてない私におじさんは手のひらをげんこつでたたきながら「Sello! Sello!」と繰り返す。
Sello=セージョ?知ってるよ、その単語。スペイン語で切手じゃん。
切手買えって言ってるのかな...?
続いて「Entrada! Sello! Vale?」と。
Entrada=エントラーダ?それも知ってる。スペイン語で入り口だ。
Vale?は英語でOk?みたいな意味だったし...
なんなんだって必死に考える...
入り口、切手、OK?不思議な組み合わせの単語だけどなんとか答にたどりついた。
あ~!!
切手って、スタンプっていう意味もあった。そうだ!!
イミグレーションだ!そうだった、船でモロッコに入るときは船の上で入国審査をするってどっかに書いてあった。
それにしてもこれが入国審査?というくらいしょぼい机にぼーーーっとした感じのおじさんが座っている。
入国審査ってもっと厳格なものだから何をしているのか分からなかった。
やっと理解した私におじさんは笑顔になり一枚の紙を渡してきた。
入国カード。
はじめっからそれくれればよかったのに(笑)
こんな今思うとちょっと笑えるやり取りの末、入国スタンプをもらい、モロッコが見えてくる。
船も無事にタンジェに到着。
さ、いざ!モロッコへ。
カテゴリ
モロッコ旅行記トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: モロッコ旅行記1 船で国境を越える
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://la-siesta.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/12
モロッコ旅行記待ってました!!
一人旅なんてすごいなあ。読んでたら自分が旅してるような気分になってワクワクドキドキしてきます(^^
これからの記事も楽しみにしてますね♪
ところで酔い止め薬、カフェイン入りのほうが眠くならないのでは?
そのとおりだ…(驚)
おバカ丸出しですみません。
それでも2錠飲んでバスに乗ったとき爆睡しちゃったんですよ。
恐るべし、カフェイン入り?!
サイト開設おめでとうございます。
自分は海外旅行に行ったことがないので
すっごい新鮮でへぇこんな事があるんだー
とか海外に行くときの勉強になりそうです。
写真でその時の様子もわかってすっごい
面白いです。
これからも楽しく拝見させて頂きまーす。
ご訪問ありがとうございます!
そろそろどこか行っておきますか?joさんに合うところ…どこでしょうね~
あ!モロッコはこのあと写真で登場するかもしれませんが猫が多かった。
やせてて小さい野良ばっかりだけど、かわいかったですよ~♪