モロッコ旅行記16 冷たい砂の上で
朝5時。
「ゲラーーーップ!ゲラーーーップ!」(Get upです)
携帯の目覚ましより効果的な音が耳元でした。
寝起きは悪くない方だと思うけど、さすがに…1時頃寝て5時じゃあ4時間ちょっとしか寝てないから起きるのきっつい。
そう、砂漠にきたら朝日を見ないと始まらないよね~って昨日みんなと話していたことが脳裏によぎるけど、そんなことより眠くて寒い。最悪のシチュエーション。
寝袋の中でモゾモゾしていた私を脱皮させてくれたオージーガールに今は感謝している。
だって…
こんな風景…
すーーーごーーーいーーー
どちらかというと夕日の方が好きだった。
あの時あの海で見た夕日は最高だった。
太陽を肴にお酒飲めちゃう。
でも、朝日もいいなぁ。
来年は成田山とか登って初日の出を見に行こうかな。
何がいいって、この段々と明るくなっていく感覚。(日の出だから当たり前だけど)
活力を感じる。
もう、なんか泣けてくる。
はじめは砂丘の上まできても眠くて、テレビの前でゴロンとして昼間のワイドショーを見るおばちゃんみたいに、ひじまくらで口あけてぼーーーっとしていた私。
でもあたたかい太陽の光が明るく周りを包んでいく様子を見て起き上がると、夢中でシャッターを切っていた。
アレから丁度一年たつんだなー
足元の砂は冷たくて、私はなかなかスニーカーを脱がなかったけど、例のオージーガールが「気持ちぃから脱ぎなよ!」って今度は靴を脱がそうとする。
でも脱いでよかった。冷たくてはじめはつま先歩きしてたけど、すごく気持ちいい。もっと砂の感触を感じられる。
この時この景色を見ながら家族のことを思った。スペインに滞在していたときはほとんど思い出さなかったし、あまり連絡もしなかったのに。そして…大学のサークルの友達のこと。
みんな何してるのかな?とか、この風景を一緒に見たいなとか。なぜか引退試合のこととか。
何年か前のことなのに、なぜか引退試合…
ちょっと自分の世界に浸ってると例のオージーの彼女が私の隣に座ってくる。
「何考えてるの?一人になりたい?」って言われたけど、「こんなキレイな風景一人じゃもったいないから、一緒に見よ!」と私にしては洒落たことを言ったのに、「私は彼氏とみた~い」だって。あっさり・・・ソ、ソーリー…私で。
彼女が仕事のために行くシカゴには別れた彼がいるとか…その前に、ヨーロッパとモロッコを旅行していた(すごく遠回りだね)
彼の話はバスの中や食事中に聞いたけど、あらためて別れた理由など聞く。
砂漠の日の出を見ながらする恋バナ。今思うと贅沢だなぁ…
今度はお互い、大切な人とこの風景を見ようと約束した。
明るくなって初めて気づいた。実は結構上ってきていたことに…
大きく深呼吸ーーー
き~もちぃ~~~
色々と夢中になり、危うく靴忘れそうになった…
ちょっと下を歩いていた彼女が振り返って「シューーーーーーーー」って言ってくれなかったら忘れて降りきってたなぁ。
砂漠ともそろそろお別れ。
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